唐突にぶち込まれるSFが大好きな男によるSFっぽいもの布教

昨日のお方のブログ

本記事はCCS Advent Calendar 2022 - Adventarの7日目の記事です。

昨日は韓国旅行の記事でした。旅行に誘ってくれる人間が居るって良いなあホントに…青春だなあ…。

でもコロナ関連とかパスポートとか入国申請とか色々大変そうなのがひしひしと伝わってきました…

molybdenum-ijk.hatenablog.com

 

前置き

みなさんこんにちは、こんな内容裏でやった方が良かったと今更後悔しているネクタイです。

今回はコミケポスター絵のメイキング記事を作ろうとしたのですが今描きあがってるのがそれのカラーラフ程度しかできてないので急遽作品布教と洒落込むことになりました。まあよく考えたら私はCCSでは新人なので自己紹介として丁度いいように思えなくもないですね。R-18作品混じってるけどね。

だってしょうがないじゃん!課題のストレスで推しの絵師目当てで衝動買いしたものがあんなめっちゃ良いクトゥルフSF作品だと思わないじゃん!!!1時間半ぐらいで全実績解除しちゃうくらいの省ボリュームなのに終わった後放心しちゃったよ!!!!!

ちなみにその作品は折角なのでこのブログの最後の方で紹介させて頂くこととなります。なんで表の記事でR-18を拝まなくちゃならんのだと思う方もいらっしゃると思いますがお許しいただければ幸いです。

というわけで、タイトルにもある通り、SF作品…ではなくSF要素。の布教です。

現代のSFはバリエーションが多い

小説に留まらずゲーム、漫画などなど…デジタルツールの普及やプログラム知識の広まりなどによって創作物そのものが大幅に増えた結果、他の作品との差別化を図っているのか単にそういうのが好きな人間が多いのか現代では様々な作品で本筋に絡んだり絡まなかったりする程度のSF要素が含まれてます。

例えばFF4。なんかファンタジー世界観から急に宇宙船に乗って月へ行きます。

例えばワンピース。最初は中世の世界観をベースにした冒険ものだった(とはいえ今も基本は変わってない)のが今や"人造悪魔の実"とか"古代兵器"ですってよ。

例えばポケモン。DPの創造神設定からBWの古代文明設定、SMでは別の次元のどこか遠くの星からポケモン(なのかも厳密にはわからない何か)が呼び出されてしまいました。

例えばスプラトゥーンいや君は最初から結構強めのSFでしたね。

そんな具合にSF設定が呼び出されるものだから、今やScience Fictionという語源はどこへやら、科学用語がほとんどどこにも見られない無い作品でも宇宙人やら何がなんやらわからない機械やら天使やらが出てくるだけでSF作品と分類されることもある始末です。まあ藤子・F・不二雄大先生も『SF(すこし・ふしぎな)』という言葉を作ってたぐらいなのでこの緩い線分けが良いのでしょう。これでいいのだ。

さて、そんなSF要素、良いところは"すこしふしぎなもの"に対する人々のリアクションに尽きるでしょう。

『もしもこんな"すこしふしぎなもの"があったら皆はどんな風に動くだろうか』と想像を膨らませ、それをたまーに他人に絵や文章、時にはプログラムで苦労して伝えたり伝えられたりするのが私たちは大好きなのです。

"すこし"どころでは済まない何かだったり、想像の中で人類が滅んでしまったりすることもあるでしょうが、いずれにしろこれがSFの本質なのだと私は思います。

…前置きだけで1400文字強って嘘でしょ私。

というわけで、唐突にぶち込まれるSF要素が大好きな人間による作品布教です。割とガチ目なSFからSFとは言い難いものまで色々取り揃えております。クソ長いので休み休みでも読んで頂けると幸いです。

また、ここで取り扱う漫画、ゲームなどの作品は大半がネタバレの危険度が洒落にならない作品だらけなのでロクなレビューは期待しないで下さい。

買え。後悔はさせない。

あ、でもエログロ方面と金銭的問題で後悔させちゃうことはあると思うから注意してね…

1:メランコリア(全二巻、上下形式)

漫画のショートショートの名手こと道満晴明先生による数十日後に隕石によって世界が滅ぶ地球の上で繰り広げられるまあほとんど12Pの短編漫画集です。

作風としては殺し屋によって殺される3人組の話や喋る猫と10年引きこもって生き延びた女の子の物語、好きな人の内臓を引っこ抜く(※なぜか抜かれても生きてます。)女子高生の日常などコミカルなものからどこか寂しいもの、血生臭いものから思いっきし下ネタなものまで非常にバリエーション豊かです。特に好きなのは臓器の話とゾンビと一緒にラノベを書き上げる話。下巻の話まで含むと葛飾北斎の子であるお栄ちゃんがゲッサンとウルジャンを読む話がぶっちぎりで大好きです。

一周してしまえば道満先生による読んだ後に唸らざるを得ない素晴らしい構成力とどこかカクカクしたかわいらしいデフォルメ絵から成るどこか寂しさを覚える世界観があなたを離さない事でしょう。下ネタが嫌いでなければ。

2:ファイアパンチ(全8巻)


突然ですが、あなたは千葉大のブックセンターでTOEICの勉強本か何かを探している最中、こんなものを目にしたことはないでしょうか?

これを書いたのは私です。そんな漫画です。

しかしこれだけだと流石に内容に欠けるので少し内容に触れると、"雪の女王"によって氷に閉ざされた世界の中で全身が消えない炎で燃える男「アグニ」が妹の仇を討つための旅に出る物語です。

"雪の女王"なんて聞くとなんか仇討ちというワードの割にファンタジーしてるなあと思う方も少なくないと思います。

しかしチェンソーマンを観たあなたなら肌でわかるかも知れません。あんなものを描くタツ『監督』が素直な雪の女王を描くわけがないという予感が。

大当たりです。

どこからともなくトガタというキャラが現れて好きな映画について布教し出します。

なんか聞き覚えに満ちた現実世界の映画が頻繁に聞こえます。

ここからがScience Fictionなんです。

全8巻とありますが、是非とも一気読みしていただきたい。

正直ネタバレを避けてレビューするのが辛いレベルで濃密な漫画です。

3:SANDLAND

みんな大好き鳥山明先生の1巻完結作品です。前2作と違って下ネタが皆無だから万人向け度が高い!けど知名度はそこまで高くないから布教したい!

なんというか表紙からして素晴らしいですね、鳥山明大先生の描くメカは最高です。

国王が水源を独占してしまったおかげで乾き切ってしまった大地を悪魔の王子ベルゼブブと伝説の元・軍人シバが駆け回り、隠された泉を探し回る作品です。

環境汚染だの気候変動だので人類が半壊状態というポストアポカリプスに近いタイプの作品ですが、「人間は大昔からずっと都合の悪いことが起こると魔物のせいにしてきた」「それを利用して胡散臭い国王がたった一つの水源をコントロール、水を高値で売り捌く」「隠蔽のためにメディアを賞金付きで利用する」など、鳥山明らしいユーモラスな世界観は健在なだけにリアルなそこはかとない闇が映えます。

ドラゴンボールで培われた戦闘描写も必見です。ベルゼブブマジでカッコ良すぎる。2000年の漫画やぞこれは。すげえ。

…それにしても前二作と違ってSF要素が本筋との関わり薄めだからある程度のネタバレが許されるのほんと助かる…。

4:ザ・ドラえもんズスペシャル(全12巻)

子供の頃に読んだっきりの思い出の作品。

先述した通り、私は藤子・F・不二雄先生の作品が大好きです。

(漫研に入って不二雄先生大好きと抜かしておきながらドラえもん大長編ですらコンプリートできてないけど)大好きです。

しかし正直思い出補正で言えばこれの方も好きかなあ!!

というわけでこれ読んでる人の3~4割ぐらいしか知らないかも知れないドラえもん黒歴史?否。公式が勝手に封じ込めた歴史です。

銃(空気砲)を巧みに使う高所恐怖症、ドラ・ザ・キッド

礼儀を重んじる超優等生な代わりに女に対する耐性皆無、王ドラ

昼寝大好きだがナイスガイ、王ドラのライバル、エル・マタドーラ

月どころか丸いものを見るだけで凶暴化します。どら焼きも例外ではありません。ドラニコフ

頭サッカー野郎、コイツがロボットだとは到底信じ難いドラリーニョ

怒ると巨大化する最終兵器、ドラメッドIII世

…彼らと比べると没個性。でも活躍回がちゃんと用意されてるのほんと大好き。ドラえもん

彼らが世界各地でホントに突拍子も無い大冒険を繰り広げる、それがドラえもんズ。

"ネコ型ロボット要素どこ行った"

"のび太たちまで含めたらこんなたくさんの個性の塊みたいなキャラクターを扱い切れるわけがないだろう"

という声がどこからか聞こえる気がしますが、

シナリオ担当の宮崎まさる先生が本っっっっ当にやり手。

タイムスリップ、ひみつ道具、22世紀の不良品ゲームなどなど、様々な観点で彼らにスポットを当ててくれます。

今では名を聞かなくなってしまった彼らですが、三谷先生のまるで本物の不二雄先生のような作画も相まって子ども向けの漫画として凄まじいクオリティを持っており、クソガキ時代の私でも感激しておりました。大人となってしまった私たちにも通じるレベルでしょう。

今では絶版してしまいましたが恐らく電子書籍で売られ…

…あれ、おかしいな…

…え?電子書籍でまだ出回ってないの?

は??中古全巻セットで34000円ぐらい??

5:星のカービィディスカバリー

本来ならロボボプラネットを薦める予定でしたがあちらはスーパーデラックス(もしくはウルトラスーパーデラックス)からカービィWii、そしてようやく(できればトリプルデラックスもやって欲しいけど)ロボボプラネットという結構高めの要求をしなければいけないため渋々こちらにしました。熊崎カービィ最高。

 

そんでもってこの作品。ゲーム初心者にも楽しめるという歴代のコンセプト通り基本的に頭空っぽで楽しめるのもそうなのですが(その時点でめっちゃ凄いと思う)

背景が、マジで凄い。

人類らしきものが居なくなった後の世界(死に絶えたわけでもないのか骨一つ残っていない)として、ビル群、商店街、遊園地、西洋風の巨大な時計塔などなど、見覚えのあるものばかりが目に映る、言ってしまえば廃墟な訳ですが、全体的な雰囲気としては全然怖さが無いのですよ。

廃墟なのにどこか幸福さを感じる。それでいて質感がリアル。廃墟であるという現実から逃げてない。

このアンバランスさ、世界観。未熟ながらも絵を描いている身分からしたら本当に不思議で仕方がありません。

最終盤で明かされる人類の末路(?)も含め、この世界の住民がどんな暮らしをしていたのか想像せずにはいられない作りには感服です。

…最も、その最終盤こそが本番な訳ですが。

6:HaikaraWalker(Splatoon2資料集)

はい。前述した通り最初からガチSFだったやつです。

深海メトロの車内にあった雑誌の名を借りた資料集ではありません。

逆です。

オクトエキスパンション、タタキケンサキのギアまで含めたSplatoon2の資料集の名を借りたイカ世界の雑誌です。

コイツには魂が篭ってます。

だってページ開いて最初に目に飛び込むのがゲーム内架空企業の広告ですぜ?

後の方のページにも、ファッション雑誌っぽく纏められたギア紹介コーナーや、

ゲーム内のグラフィックをデザインした海女美術大生のアーティストことSallyとハラ ワタル御大によるインタビュー記事まで掲載されている程の豪華内容です。
…勘のいい方ならわかると思いますが、Sallyもハラワタルもイカ世界の住民であり私たちの住む人間世界には居ません。

しかしインタビュー記事はめっちゃしっかり文が練られてます。

雑誌じゃん。もうこれ『向こうの世界の産物』じゃん。

これを最初に読んだ時は声すら出ませんでした。目が離れませんでした。ただただ憧れるばかりでした。人生で一番好きな本が小説でもなく漫画でもなくゲームの資料集になるとは思ってもみなかったです。

SF作品はこの世に広く存在しており、衣食住から作中人物の暮らしを詳しく掘り下げている作品は多くありますが、サブカルチャーからここまで深く掘り下げる作品はスプラトゥーン以外に見たことが全くありません。

この世でこれほど深く作中世界について考えられて作られた作品が他に存在するのでしょうか?

7:HELLO HELLO WORLD!& NOIR NOAH(PCフリゲ&DLciteゲーム)

最後のトリは、唐突に同人ゲーとなります。NOIR:NOAHです。記事冒頭の発狂大文字の元凶です。

この記事はこのゲームを布教するためのものと言っても過言ではありません。

だって知名度低すぎるんだもん。

www.dlsite.com

※リンクはR-15版 こっちの方が安い

大好きなイラストレーターであるめとこ大先生(https://twitter.com/metro04)によるバチバチにR-18な作品ですが、不覚にもめとこ大先生がゲームまで作っていらっしゃった事を今回で初めて知りました。

相変わらずな絵のオシャレさと単純に大好きなイラストレーターがこんなところにゲームを作ってるという興味に惹かれてつい手に取ってしまった(?)ところエロ要素はあるもののその実態はR-18にしてでもSAN値を容赦無くゴリゴリ削りにくるストーリー、全ての実績を解除するまでの1時間40分(個人差あり)の間に詰め込まれた大量のCGなど、とにかく悍ましく、なおどこかに感動するものを覚えさせられる作品でした。

この方は以前にもHELLO HELLO WORLD!なるゲームを作っていたようで、いずれ近い内に履修しておかねばなるまいなと思っております。

HELLO, HELLO WORLD! - 冥途のみやげ

このクオリティをあんな少人数で作り上げられるものだから勇気を貰ってしまいました。

最後に

以上です。長々とした記事にお付き合い頂きお疲れ様でした。できればエリア51(漫画)やチェンソーマン、ジョジョ、最近だとポケモンSVなど、紹介したいSF要素は山ほどありますが(特にエリア51は人は選ぶけどオススメ)、流石に時間がえげつない程削られたのでここで打ち止めさせていただきます。てかこれ以上長々と続けても読む人絶対いないでしょう…さすがに居ないよね?

最後に、何故SF作品紹介という体でこれらを紹介したのかと言うと、ここで紹介した作品は全て、登場人物や作中世界に対する弛まぬ愛を感じる作品でした。私が本当に好きなのはSF作品ではなく、そうした作品を好むようになった結果、自然とSF要素が入った作品を好きになるようになってしまったのかも知れません。

私は、魂を削って作られた作品が大好きです。いずれ私も、もっともっとそういう作品を作れるようになりたいなと思っております。

綺麗事に過ぎませんが、作り切った彼らを見ると憧れが止まらないのですよ。

…合計6100字以上ってマジ?

こんな長丁場をここまで読んで下さり本当に、本当に、ありがとうございました。

※カラーラフです。

コミケポスター頑張ります。